思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
『気高く、美しく、純粋無垢に育ちますように――』

 両親からそんなふうに願いを込めて名づけられ、すくすくと成長した。
 そんなリベルラが今、最愛の夫と最上級の幸せを得られているのは、幼い頃の自分が「ガルドラと幸せになれますように」と無意識的に願い、王家に伝わるネックレスを首輪代わりに彼へ預けたお陰だ。

「クロドノルン後者家に生まれてきてくれて、本当にありがとう」
「そいつはどうも。女王陛下から直々に誕生を祝われるなんざ、夢のようだぜ」

 幼少期、公爵家で生まれ育ったガルドラの生活は、王族として蝶よ花よと育てられたリベルラが想像もできないほどに、劣悪だったのかも知れない。

 しかし、その悲惨な境遇を経験してきたからこそ、今の彼がいるのだ。

 もしもガルドラが正妻の元に生まれた、由緒正しき公爵家の次男のままで過ごしていたのであれば――彼はこんなふうに捻くれた性格の、野蛮な狂犬になど育たなかったはずだ。
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