思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 世継ぎを生むのも、王族の立派な勤めだという知識くらいはある。
 だが、リガルドに気持ちが残っていると察しているガルドラの口から、このような発言が飛び出してくるなど思いもしない。
 リベルラはわなわなと小刻みに全身を震わせ、心の中で怒りを露わにする。

(どうしてこんな下品な男と、結婚なんかしなきゃいけないのよ……!?)

 馬車に乗ってから、すっかりガルドラのペースに振り回されっぱなしだ。
 どうにかして自分が優位に立たなければと必死に会話を続けてきたが、何度やってものらりくらりと交わされてしまう。
 それでも、リベルラは諦めるわけにはいかなかった。

(今に見てなさい! こいつの尻尾を掴んで、勝敗を無効にしてやるんだから……!)

 リベルラは瞳の奥底にメラメラと燃え盛る炎を揺らめかせ、闘志を宿らせる。
 ガルドラはその様子を面白くて仕方がないと言わんばかりに、不敵に微笑む。

 2人は馬車が目的地に到着するまで、バチバチと火花を散らし続けた――。
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