思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「失礼いたします」
先ほど「約束を取りつけなければ」と思い浮かべた相手――王立騎士団の団長を務める、クロドノルン公爵家のヴァドリックだった。
「クロドノルン卿?」
「ガルドラの調査結果を、お持ちいたしました」
タイミングがいいというべきか、悪いというべきか。
彼の来訪に驚きを隠せぬまま戸惑いの声を上げたところで、男は顔色1つ変えない。
ヴァドリックは淡々した口調で言葉を発したあと、手にした書類の束をこちらへ差し出した。
「あなたに頼んだ覚えは、ないけれど?」
「気分を害されたのであれば、申し訳ございません。宰相に、急用ができたそうでして……」
「そう……」
宰相はちょっと抜けたところはあるが、頼んだ仕事は忠実に処理してくれる。
有能な忠臣だ。
そんな彼が「陛下と会うよりも大事な用事がある」と、こちらにくるのを断り行方を晦ます。
そんな話は、到底受け入れられない。
だが、ここで癇癪を起こして宰相を呼び寄せて、「直接書類を手渡し、報告しなさい」と命じるのは時間の無駄だ。
先ほど「約束を取りつけなければ」と思い浮かべた相手――王立騎士団の団長を務める、クロドノルン公爵家のヴァドリックだった。
「クロドノルン卿?」
「ガルドラの調査結果を、お持ちいたしました」
タイミングがいいというべきか、悪いというべきか。
彼の来訪に驚きを隠せぬまま戸惑いの声を上げたところで、男は顔色1つ変えない。
ヴァドリックは淡々した口調で言葉を発したあと、手にした書類の束をこちらへ差し出した。
「あなたに頼んだ覚えは、ないけれど?」
「気分を害されたのであれば、申し訳ございません。宰相に、急用ができたそうでして……」
「そう……」
宰相はちょっと抜けたところはあるが、頼んだ仕事は忠実に処理してくれる。
有能な忠臣だ。
そんな彼が「陛下と会うよりも大事な用事がある」と、こちらにくるのを断り行方を晦ます。
そんな話は、到底受け入れられない。
だが、ここで癇癪を起こして宰相を呼び寄せて、「直接書類を手渡し、報告しなさい」と命じるのは時間の無駄だ。