思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「あなたから見て、どうかしら。あの2人の実力は」
「拮抗していました」
「あの男が勝った要因は、なんだと思う?」
「モルデント卿は、型に嵌まりすぎました。対人戦をあまりしてこなかった、つけが回ったのでしょう」

 準決勝で敗北を喫した身ではあるが、騎士団長に抜擢された観察眼を遺憾なく発揮し、決勝戦で戦いを繰り広げた2人の勝敗を冷静に観察していたようだ。
 彼は考える素振りも見せず、淡々と断言した。

「護衛騎士のお手本のような剣の振り方が染みついているせいで、死線を何度も潜り抜けてきた狂犬に対処できていませんでした」
「2人の戦いが闘技大会ではなく、私の命を奪う目的で行われていたとしたら?」
「為す術もなく、陛下の命は奪われていたかと……」

 彼が決勝戦進出を確実視されていたのは、ただ強いからではない。
 冷静に他者の実力を分析し、「どうやったら勝てるか」を絶え間なく考え続けているからだった。
< 33 / 241 >

この作品をシェア

pagetop