思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(もっとゆっくり、話がしたかったのだけれど……)
ガルドラの前では、できない話も多い。
リベルラは騎士団長と入れ替わるようにしてこちらへ歩み寄る狂犬の姿をぼんやりと見つめ、軽口を叩き合った。
「言ったろ? 露呈して困るような秘密は、何もないって」
「あなたは己が卑しい身分の自覚があるくせに、私から嫌悪感を示されてもなんとも思わないのね」
「別に? 俺には、どうしようもできねぇし……。仕方ないさ」
「自分だけが、得をするのも?」
彼は顔色1つ変えずに、小さく頷く。
その後、心底どうでもよさそうに口を開いた。
「ああ。これまであいつらには、充分に尽くしてきたからな。古巣の連中がどうなろうが、知ったこっちゃねぇ」
「自分さえよければ、いいとでも言うの?」
「人間なんて、だいたいそうだろ。みんな、己の身だけがかわいいんだ」
「氷のように、冷たい人ね」
「外見通りの性格だって、よく言われるよ」
明るく軽薄で、丁寧さの欠片もない。
他者をおちょくるような口調をしているが、銀色の瞳はいつだって冷たく細められていた。
ガルドラの前では、できない話も多い。
リベルラは騎士団長と入れ替わるようにしてこちらへ歩み寄る狂犬の姿をぼんやりと見つめ、軽口を叩き合った。
「言ったろ? 露呈して困るような秘密は、何もないって」
「あなたは己が卑しい身分の自覚があるくせに、私から嫌悪感を示されてもなんとも思わないのね」
「別に? 俺には、どうしようもできねぇし……。仕方ないさ」
「自分だけが、得をするのも?」
彼は顔色1つ変えずに、小さく頷く。
その後、心底どうでもよさそうに口を開いた。
「ああ。これまであいつらには、充分に尽くしてきたからな。古巣の連中がどうなろうが、知ったこっちゃねぇ」
「自分さえよければ、いいとでも言うの?」
「人間なんて、だいたいそうだろ。みんな、己の身だけがかわいいんだ」
「氷のように、冷たい人ね」
「外見通りの性格だって、よく言われるよ」
明るく軽薄で、丁寧さの欠片もない。
他者をおちょくるような口調をしているが、銀色の瞳はいつだって冷たく細められていた。