思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 口ではこちらに対する愛を囁きながらも、この状況を打破するために行動へ移す様子がない。
 彼は悔しさを滲ませた様子でぐっと言葉を詰まらせると、その表情を他者に見られないように俯いた。

「くそ……っ!」
「あんたに陛下へ愛を囁く資格は、もうねぇんだよ」

 喉元に突きつけられていた剣先が、勢いよく振り上げられる。
 いくらリガルドが護衛騎士として訓練を受けていたとしても、丸腰の状態では、己の命を守るにも限界がある。
 武器を持つ男に、なす術などない。

「ま……! 参った……」

 幼馴染はあっさりと、負けを認めてしまった。
 その宣言を受けた審判は上空へ手を上げ、戦いの終わりを告げる。

「勝者、ガルドラ!」

 その直後、決勝戦の様子を見守っていた人々が、雄叫び交じりのブーイングを上げた。

「金返せ!」
「誰だよ、ガルドラって!」
「勝つのは、騎士団長のはずだろ!?」
「いや、リガルドだ!」

 前評判通りとはいかぬ、番狂わせが起きたのだ。
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