思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 リガルドの勝利を確信して賭け事を行っていた人々は大金を失い、勝者に罵声を浴びせる。
 ガルドラの優勝を褒め称える声は、残念ながら1人も聞こえてこなかった。

(無理もないわ。彼が参加するなんて話すら、聞こえてこなかったもの。きっと、優勝するなんて、誰も思っていなかったはずだわ……)

 リベルラがこの場で観客たちに便乗し、罵倒の数々を口にしたところで、己の悪評が広まるだけだ。
 彼らに同意したい気持ちは心の中だけに留め、平常心を取り戻すために深呼吸を繰り返す。

「得体の知れぬ殿方が、陛下の伴侶になるなんて……」
「リガルド卿と、お似合いでしたのに……」
「これからこの国は、どうなってしまうのかしら……?」

 こちらが冷静になろうと必死になっている間に、貴族女性たちがこの国の行く末を案じる声が聞こえてきた。

(ええ。そうよ。こんなの、何かの間違いに決まっているわ……!)

 あちらこちらから聞こえてくる国民達の主張は、気持ちを落ち着けようとしていた女王の不満を爆発させるのに充分すぎるほどの効果を発揮した。
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