思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(そんなふうに感じるなんて、だいぶ毒されているわね……)

 リベルラは心の中で呆れながらも、素の感情は絶対表に出さない。
 女王としての振る舞いに気を配りながら、男に問いかけた。

「一体、なんのために?」
「別の誰かに奪われた心を、取り戻すために」

 彼が誰を思い浮かべているかなど、明らかだ。

(私だけではなく、こいつにとっても、リガルドは因縁の相手なのね……)

 ガルドラは本来であれば、こんなふうに不安に思う必要はない立場の人間だ。

(私の王配になるのだったら、堂々としていてほしいわ……)

 女王は狂犬に渇を入れるため、男に諭した。

「あなたは敗北者ではないわ。勝者であり、略奪者よ」
「陛下と俺じゃ、見えている世界が違うってことだ」
「何よそれ。馬鹿にしているの?」
「してねぇよ」

 だが、彼はこちらの言葉を一切受け入れる気がないらしい。
 ガルドラは己に覆い被さるのを止め、ゆっくりと上半身を起こす。
 その後銀色の瞳を切なげに潤ませ、みっともなく懇願してきた。
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