思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「唇を重ねるのだって、拒絶しないんだな?」

 ついには、唇が触れ合いそうな距離まで近づいてきた。

(なんなのよ、いったい……)

 指先を離そうと試みるたびに、強く握りしめられる。
 それがなんともいやらしく、嫌でもこの先に起こるであろう未来を悟り、青ざめる。

 婚礼の儀を執り行う際には、重鎮たちの前で口づけを交わし合う必要がある。
 いくら幼馴染に想いを寄せたままと言えども、神聖なる場で夫となる異性を突き飛ばそうものなら、大きな騒ぎになるのは間違いなかった。

(当日、その時がきた際にうろたえないためにも……。慣れていたほうがいいに、決まっているわ……)

 リベルラは男性たちを虜にする女王らしい妖艶な一面を見せ、精いっぱい強がってみせた。

「ただ、唇を触れ合わせるだけでしょう? こうして指先と絡ませるのと、なんら代わりはないわ」
「本当に、いいんだな?」
「好きなだけ、したらいいじゃない」
「そんじゃ、遠慮なく」

 ガルドラは何度も確認をしたあと、了承を得たのが嬉しくて仕方ないのだろう。
 嬉々として、唇を塞いだ。
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