思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
3・婚儀と初夜
「陛下。準備が整いました」
「ありがとう」

 リベルラは純白のウエディングドレスに身を包み、使用人の声かけに応える。

(闘技大会が始まる前までは、リガルドに綺麗だと言ってもらえる日を夢見ていたと言うのに……)

 現実とは、あまりにも非情だ。
 こちらの着飾った姿を目にして感嘆の声を上げるのは、まったく想像もしていなかった相手なのだから。

「見違えたぜ、女王様。全身真っ白のドレスを纏うと、神々しさが増して――俺のような野良犬には、もったいないねぇと思うくらいに美人だ」

 こちらの姿を目にした彼は、冗談なのか本心なのか分かりづらい感想を述べる。
 リベルラは、心の中でないものねだりをせずにはいられなかった。

(心の底からそう思っているのならば、優勝賞品は辞退するとでも、言ってくれたらよかったのに……)

 リガルドは勝負に負けたのがよほど悔しかったのか、体調不良に陥って寝込んでいるらしい。
 そのため、結婚式には出席しない予定だった。

(何事もなかったかのように隣へ寄り添い、ガルドラと大喧嘩されるよりは、ずっといいけれど……)

 これから始まるのは、一生で一度の婚儀だ。
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