思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(こんなの、認められるはずがないでしょう!? 勝者を賞賛するなんて、絶対に無理だわ……!)

 瞳の奥底に怒りの炎を燃やしながら、辺りを見渡す。
 空中ではリガルドの名前が書かれた紙切れが大量に宙を舞い、一夜にして大金を失った者たちが次々と席を外す姿が見えた。

 会場に残っているのは、どこの馬の骨かもわからぬ野良犬が王配になる瞬間を目撃したいと目論む野次馬と、新聞社。
 そして、リベルラが女王であることをよく思わぬ反乱勢力たちだ。

(この勝負は無効だと宣言しようものなら、命にかかわるわ……)

 愛する男と結婚できないのが嫌だと駄々を捏ねようものなら、「この国を統べる王としてふさわしくない」と大騒動に発展するのは明らかだ。
 色恋沙汰のせいで王座を失い、命を落とすなど馬鹿らしい。

(あんな男を夫として迎え入れるなんて、冗談じゃないわ。でも……)

 たとえこの闘技大会の主催者が自分であったとしても、一度決まった結果は覆せない。
 優勝賞品であるリベルラは、黙って勝者を王配として迎え入れるしかないのだ。
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