思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「もちろん。誓うぜ」

 はっきりとした口調で口にするあたりが、自信に満ち溢れる彼らしい。
(今度は、私の番ね……)

 完全にリガルドへの思いを捨てきれていない状態で、伴侶に対する愛を誓わなければならないなんてあんまりだ。

 ――幼馴染が隣にいない。

 それを何度悔やんだところで、この結婚は止められないのなら――。
 嘘でもなんでもいいから、ガルドラへの誓いを立てる以外に、自分が選び取れる選択肢は存在しなかった。

「女王リベルラ。ガルドラを夫と認め、死が2人を分かつまで、生涯彼だけを愛し抜くと誓いますか」

 たった、2文字。了承の言葉を口にすればいいだけなのに、喉が引き攣る。
 呼吸が荒くなり、うまく声を発せなかった。

(駄目よ。こんな状態じゃ、参列者から不審に思われてしまうわ……!)

 こちらに向けられる視線が、不愉快で仕方ない。
 リベルラは己を奮い立たせると、数秒遅れて小さく頷く。
 そして、か細い声を響かせた。

「……は、い……」
「それでは、誓いの口づけを」

 神父はこちらの誓いを聞き入れると、何事もなかったかのように婚儀の進行を続けた。
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