思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(愛されているのであれば、危害を加えられることはないもの。ある意味、安心ではあるけれど……)

 得体のしれない恐怖に怯え、足が竦むのを止められない。

(ああ、もう!)

 こんなふうに夫を怖がるなど、誇り高く近寄りがたい女王になりたいと願う自分からしてみれば失格としか言いようがない。
 リベルラは剥がれかけた仮面を被り直し、震える足にムチを打つ。
 その後、堂々とした足取りで夫の待つ寝台へ歩みを進めた。

「よくできました」

 ガルドラは満足そうに微笑み、こちらへ手を差し出してくる。

「さっさと、終わらせましょう」

 リベルラは自らの意思で指先を重ね、彼の隣へ横たわろうとした。
 しかし――。
 勢いよく引っ張られ、寝台へ押し倒されてしまう。

「な……っ!?」

 背中に強く叩きつけられて驚いていると、夫が己の身体に覆い被さってきた。
 こちらを見つめる彼の瞳は、まるで獲物を前にした獣のようにギラついている。
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