思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(これは、一体……?)

 ガルドラは何故か、こちらが気軽に声をかけづらいオーラを放っている。
 リベルラはその様子を目にして戸惑いの表情を浮かべたが、それも一瞬だけだ。

(私は、女王よ! 彼は本来であれば、私の夫にはふさわしくない環境で生まれ育ってきたんですもの。一体、何を遠慮する必要があるのかしら!?)

 この場で戸惑い、遠慮するなんて、自分のキャラではない。
 リベルラは即座に女王の仮面を被り直すと、はっきりとした口調で問いかけた。

「夫婦になった男女が1つの寝台で、身を寄せ合って眠る。それが、初夜の過ごし方でしょう?」
「閨教育がそういうもんだって、教わったのか?」
「ええ。こうして、互いの身体を触れ合うのよね……?」

 リベルラは己に覆い被さる夫に恐れを抱くことなく、不躾にも彼の胸元を指先でベタベタと触れた。
 そのたびに、銀色の瞳が妖艶に細められる。

(気持ち、いいのかしら……?)

 感情の読み取れない瞳が熱を帯びたのは、こちらが自らの意思で彼の身体に触れたせいだ。
 そう思ったら、なんだか楽しくなってきた。
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