思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「こういう時、俺を頼るのは悪手だぜ?」
「ん、ぅ……っ」
「もっとしてほしいって、強請っているようにしか見えないからな……」
「そんな、つもりは……!」

 リベルラが最後まで異を唱える時間は、与えられなかった。
 彼は唾液を含ませて思う存分舐め回していた耳たぶから唇を離すと、再び首筋に噛みついて赤い花を散らしていく。

 そのたびに小刻みに身体を震わせていると、夫の顔がどんどんと下がっていくのに気づいた。
 リベルラは夫の首筋から両手を離し、慌ててガルドラの顔色を窺った。

「何……?」
「そう、心配すんな。悪いようにはしねぇよ」

 彼は上質なシルクで作られた触り心地のいい布の感触を確かめるかのように、リベルラのくびれを優しくなぞりながら、囁いた。

「あんたは黙って、俺に愛されとけ」

 リベルラは、夫の言葉を何度も反芻する。
 その後、戸惑いの色を隠せずに独りごちる。

(この行為が、愛……?)

 己の身体を布越しに好き勝手弄っている相手が幼い頃から淡い恋心を抱いていた幼馴染であれば、こんなふうに疑問を感じることなどなかっただろう。
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