思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
それはところどころ刃こぼれしており、細かな傷が山程刻み込まれている。
数々の死闘を繰り広げてきたと言えば聞こえはいいが、護身用として持つには心許ない。
「ぼろぼろじゃない」
「武器を買い揃える金が、なかったもんでね」
「この形が、手に馴染むの?」
「まぁな」
リベルラは開いている手で剣先をなぞり、感触をしっかりと記憶する。
(伴侶となった記念に、真新しいものを買い与えるのも悪くはないかもしれないわね……)
彼から不自然に思われないように好きなだけ撫で回したあと、再び短剣を夫へ戻した。
事前に「新しいものをプレゼントするわ」と伝えたところで、彼が固辞する様子が容易に想像できたからだ。
「ありがとう。この程度なら、持っていても構わないわ」
「それはどーも。しかし……。いくら手入れしているとは言え、女王陛下が触れていい代物じゃないと思うんだが……」
「毒が塗られていたら、今頃藻掻き苦しんでいたかも知れないわね」
「俺もそこまで、卑怯者じゃねぇよ」
その行いを「卑怯」と称する辺りが、彼らしい。
数々の死闘を繰り広げてきたと言えば聞こえはいいが、護身用として持つには心許ない。
「ぼろぼろじゃない」
「武器を買い揃える金が、なかったもんでね」
「この形が、手に馴染むの?」
「まぁな」
リベルラは開いている手で剣先をなぞり、感触をしっかりと記憶する。
(伴侶となった記念に、真新しいものを買い与えるのも悪くはないかもしれないわね……)
彼から不自然に思われないように好きなだけ撫で回したあと、再び短剣を夫へ戻した。
事前に「新しいものをプレゼントするわ」と伝えたところで、彼が固辞する様子が容易に想像できたからだ。
「ありがとう。この程度なら、持っていても構わないわ」
「それはどーも。しかし……。いくら手入れしているとは言え、女王陛下が触れていい代物じゃないと思うんだが……」
「毒が塗られていたら、今頃藻掻き苦しんでいたかも知れないわね」
「俺もそこまで、卑怯者じゃねぇよ」
その行いを「卑怯」と称する辺りが、彼らしい。