思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 ガルドラが短剣を懐に仕舞い直す姿をぼんやりと眺めながら、リベルラは露骨に眉を顰めた。

(首が、痛いわ……)

 後方に立つガルドラと目線を合わせるため、首を上空に向けていたせいだ。
 こちらが露骨に嫌そうな顔をしたおかげで、声に出さずともそうした反応をした理由に気づいた彼は、ようやく指先を離す。
 その後、ゆっくりとこちらの顎に触れて前を向かせた。

「もっと露骨に、いちゃついたほうがよかったかもな……」
「それはまた、別の機会にして頂戴」
「了解」

 室内の温度が氷点下まで下がる原因となる人物は、しばらく戻ってこないだろう。

(この隙に、できる限り仕事を進めておかないと……)

 リベルラは心の中で気合を入れたあと、再び王配と協力する。
 こうして、溜まりに溜まった書類を片づけ始めた。
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