思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(念の為、聞いてみましょう)

 準備ができてない状況で、幼馴染に疑念を抱かれるのだけは避けたい。
 リベルラは言葉を濁し、ヴァドリックに問いかけた。

「例の件は?」
「滞りなく、準備を整えました」
「ちょうどいいわね」

 リベルラ、ガルドラ、リガルド、ヴァドリック――。
 ここには4人の役者が、勢揃いしている。

(闘技大会を終えた時から計画していたことを、ようやく実現できるわ……)

 リベルラは壁際に立っていた幼馴染へ視線を移すと、紫色の瞳に冷ややかな感情を宿す。そして、なんの前触れもなく告げた。

「モルデント伯爵家、リガルド。本日限りで、護衛騎士の任を解くわ」

 リガルドは当然、納得できるはずがない。
 驚きで瞳を見開き、驚愕する。

「ど、どうして、僕が……!?」
「今まで私を守ってくれて、本当にありがとう」
「い、嫌だ……! そんなの、納得できない……!」

 幼馴染は「一方的に別れを告げるのは許さない」と言わんばかりにこちらへ歩み寄り、みっともなく泣き縋って許しを請おうと試みる。
< 89 / 241 >

この作品をシェア

pagetop