転生したらひとりぼっちだった私、最強国の冷徹大公に拾われる~不愛想な最強保護者のもとで、稀代の才能が花開きました~
照りつける朝日を浴びながら、でこぼこ道を登り小屋に着く。テトラはまだ来ていないようだ。
寝床の清掃は三日に一回。昨日終わらせたので、今日は違う業務があるはずだ。テトラが来るまで時間を持て余した私は、ひとりで集落の広場まで行った。すると、小竜よりももっと小さい雛竜がいて、たどたどしく追いかけっこをしていた。
昨日、テトラに聞いた説明によると、竜族は人間でいうところの、大人である成竜、子どもの小竜、赤ちゃんから幼児の雛竜に分類される。また、竜の属性として『炎』と『氷』があり、前者がイグニスドラゴン、後者がフロストドラゴンと呼ばれているらしい。広場で遊んでいる雛竜たちは色も様々でとても愛らしく、大きさは人間でたとえると十歳くらいだ。今年九歳の私と背は同じくらいだけど、幅があるのでより大きく見える。彼らもすぐに小竜になって成竜になり、凛々しくなるんだろうな、と眺めていると、頭上から声がかかった。
『おはよう。あなたが新しいお側人のネリーね』
見上げると、茶色の成竜がこちらを見下ろしている。言葉遣いからすると、雌竜だ。
広場で遊んでいる雛竜のお母さん、かしら。普通に話しかけてくることから、私がドラゴンスラングを理解しているという話は、もう集落中に伝わっているんだなと思った。
「はい! おはようございます。よろしくお願いします!」
『あら、元気ないいお返事。私は族長ティエリアの妻、シオンよ』
「ティエリアさん……あ、竜大公様の相棒の黒竜……」
『そう! 主人とはもう会っているのよね。いろいろ話は聞いているわ。シリウス様が宝物のように連れ帰った女の子だって!』
「……え?」
宝物のように連れ帰った、ってなに? 思いも寄らない言葉を聞いて一瞬頭が真っ白になる。未だに、ドラン公国に連れてこられた理由はわからないけれど『宝物のように』は、絶対に違うと思う。
考えられる答えとしては、私の置かれた状況が、あまりに悲惨だったので救い出してくれた、が最も相応しい。
あ、わかった! ドラゴンスラングを理解していると言っても、変換できない言葉があって、ちょっと間違って聞こえたのだわ。うん、きっとそうよ。
勝手に納得した私に、シオンは言った。
『ねえ、よかったら卵の生育場に行ってみない?』
「卵の生育場?」
『そう。私たちの子どもが卵から生まれることは聞いているわよね? その卵を孵化するまで育てる場所よ』
「はい! 行ってみたいです!」
生まれる前の竜の卵が見られるだなんて、すごい! 興奮して答えると、シオンは朗らかに笑った。そして、遊んでいた雛竜たちを呼ぶと、私を含め皆で生育場に移動する。移動する途中で、雛竜たちは私の周りを取り囲み、これでもかと纏わりついた。言葉が通じる人間が珍しいのか、小さな人間の女の子を見たことがないのか、興味津々で話しかけてくる。
『ネリー、いいにおいー』
『うん、ネリー、すきー』
『すりすりしていい?』
人気があるのはすごく嬉しい。けれど、雛でも私より体の大きな彼らに挟まれると、圧迫感がとんでもない。
確か、竜たちは肉食メインの雑食だ。もしかして、食料として見られているんじゃないか、と一瞬不安になったほどだ。
寝床の清掃は三日に一回。昨日終わらせたので、今日は違う業務があるはずだ。テトラが来るまで時間を持て余した私は、ひとりで集落の広場まで行った。すると、小竜よりももっと小さい雛竜がいて、たどたどしく追いかけっこをしていた。
昨日、テトラに聞いた説明によると、竜族は人間でいうところの、大人である成竜、子どもの小竜、赤ちゃんから幼児の雛竜に分類される。また、竜の属性として『炎』と『氷』があり、前者がイグニスドラゴン、後者がフロストドラゴンと呼ばれているらしい。広場で遊んでいる雛竜たちは色も様々でとても愛らしく、大きさは人間でたとえると十歳くらいだ。今年九歳の私と背は同じくらいだけど、幅があるのでより大きく見える。彼らもすぐに小竜になって成竜になり、凛々しくなるんだろうな、と眺めていると、頭上から声がかかった。
『おはよう。あなたが新しいお側人のネリーね』
見上げると、茶色の成竜がこちらを見下ろしている。言葉遣いからすると、雌竜だ。
広場で遊んでいる雛竜のお母さん、かしら。普通に話しかけてくることから、私がドラゴンスラングを理解しているという話は、もう集落中に伝わっているんだなと思った。
「はい! おはようございます。よろしくお願いします!」
『あら、元気ないいお返事。私は族長ティエリアの妻、シオンよ』
「ティエリアさん……あ、竜大公様の相棒の黒竜……」
『そう! 主人とはもう会っているのよね。いろいろ話は聞いているわ。シリウス様が宝物のように連れ帰った女の子だって!』
「……え?」
宝物のように連れ帰った、ってなに? 思いも寄らない言葉を聞いて一瞬頭が真っ白になる。未だに、ドラン公国に連れてこられた理由はわからないけれど『宝物のように』は、絶対に違うと思う。
考えられる答えとしては、私の置かれた状況が、あまりに悲惨だったので救い出してくれた、が最も相応しい。
あ、わかった! ドラゴンスラングを理解していると言っても、変換できない言葉があって、ちょっと間違って聞こえたのだわ。うん、きっとそうよ。
勝手に納得した私に、シオンは言った。
『ねえ、よかったら卵の生育場に行ってみない?』
「卵の生育場?」
『そう。私たちの子どもが卵から生まれることは聞いているわよね? その卵を孵化するまで育てる場所よ』
「はい! 行ってみたいです!」
生まれる前の竜の卵が見られるだなんて、すごい! 興奮して答えると、シオンは朗らかに笑った。そして、遊んでいた雛竜たちを呼ぶと、私を含め皆で生育場に移動する。移動する途中で、雛竜たちは私の周りを取り囲み、これでもかと纏わりついた。言葉が通じる人間が珍しいのか、小さな人間の女の子を見たことがないのか、興味津々で話しかけてくる。
『ネリー、いいにおいー』
『うん、ネリー、すきー』
『すりすりしていい?』
人気があるのはすごく嬉しい。けれど、雛でも私より体の大きな彼らに挟まれると、圧迫感がとんでもない。
確か、竜たちは肉食メインの雑食だ。もしかして、食料として見られているんじゃないか、と一瞬不安になったほどだ。