転生したらひとりぼっちだった私、最強国の冷徹大公に拾われる~不愛想な最強保護者のもとで、稀代の才能が花開きました~
お昼の鐘が鳴る少し前。
柔らかくなった肉を持参し、私とテトラは小竜たちの食事場を訪れた。食事場では小竜たちが、用意されている食料を食べ始めていたが、私たちが近づくとはっとして振り向いた。
『なんだか、いい匂いがする!』
『本当だ! なんの匂い?』
小竜たちは食べるのをやめ、私とテトラが持っていた樽に群がる。彼らは樽の中にある肉を見て、不思議そうに首を傾げた。
『肉? でもなんだか、いつもと違うね』
『うん、いつもと違って美味しそう!』
「気になる? 食べてみたい?」
私が聞くと、小竜たちは即座に頷いた。よかった、興味を持ってくれないと始まらない。第一段階は突破したと思い、樽を置いてどうぞと促す。すると小竜たちは我先にと肉を口にした。
もぐもぐ、むしゃむしゃと一心不乱に食したあと、彼らは一斉に叫び声をあげた。
『うまいっ! これすっごくうまいよっ』
『やわらかーい! おいしーい!』
『肉ってこんなに食べやすかったんだ』
と、絶賛の嵐。肉が入った樽はわずか数秒で空になった。生肉の樽も、焼いたほうも全てが、である。
「よかったー。どっちが美味しかった? 焼いているのとそのままのほう」
『焼いているほう!』
全ての小竜が一斉に答えた。ふんふん、なるほど。生肉のほうも平らげてしまったということは、美味しい基準は満たしているのだわ。ただ、それ以上に焼いたほうが美味しかったのだ。
「じゃあ、焼いてある肉だったら、残さず食べてくれる?」
『絶対残さないよー!』
『おかわりしちゃうかも』
という嬉しい言葉をもらってほくほくの私は、次いで野菜と果物も勧めた。固すぎる野菜は茹でて、果物は食べやすく切る。まだ育ち切っていない小竜たちの消化器官に、負担をかけないようにという意図からだ。
「上手くいったじゃないか」
テトラが声をかけてきた。
「はい。よかったです! これで、小竜たちの栄養のバランスが整いますね!」
「そりゃそうだが……お前、自分で自分の仕事を増やしたの、気づいていないのか? 明日から大変だぜ」
「あ、確かに。でも大丈夫です。私、元気なので」
「ははは。変な奴だ」
呆れたように大声で笑うテトラだったが、その目尻が優しく下がっていたのを私は見逃さなかった。
口は悪いけれど、とても優しい人なんだよね。だってなんだかんだで、こうして手伝ってくれているんだから。
「テトラさん、私、族長さんの住まいに行ってきます。あとはお願いできますか?」
「ああ、オリオンの件だな」
頷いた私は、樽と一緒に持参した小さな籐のバスケットを手にして歩き出した。小竜たちの食事を準備する時、オリオン用の食事も用意した。少しでも食べてもらえるように、消化のよさを考慮したメニューである。
柔らかくなった肉を持参し、私とテトラは小竜たちの食事場を訪れた。食事場では小竜たちが、用意されている食料を食べ始めていたが、私たちが近づくとはっとして振り向いた。
『なんだか、いい匂いがする!』
『本当だ! なんの匂い?』
小竜たちは食べるのをやめ、私とテトラが持っていた樽に群がる。彼らは樽の中にある肉を見て、不思議そうに首を傾げた。
『肉? でもなんだか、いつもと違うね』
『うん、いつもと違って美味しそう!』
「気になる? 食べてみたい?」
私が聞くと、小竜たちは即座に頷いた。よかった、興味を持ってくれないと始まらない。第一段階は突破したと思い、樽を置いてどうぞと促す。すると小竜たちは我先にと肉を口にした。
もぐもぐ、むしゃむしゃと一心不乱に食したあと、彼らは一斉に叫び声をあげた。
『うまいっ! これすっごくうまいよっ』
『やわらかーい! おいしーい!』
『肉ってこんなに食べやすかったんだ』
と、絶賛の嵐。肉が入った樽はわずか数秒で空になった。生肉の樽も、焼いたほうも全てが、である。
「よかったー。どっちが美味しかった? 焼いているのとそのままのほう」
『焼いているほう!』
全ての小竜が一斉に答えた。ふんふん、なるほど。生肉のほうも平らげてしまったということは、美味しい基準は満たしているのだわ。ただ、それ以上に焼いたほうが美味しかったのだ。
「じゃあ、焼いてある肉だったら、残さず食べてくれる?」
『絶対残さないよー!』
『おかわりしちゃうかも』
という嬉しい言葉をもらってほくほくの私は、次いで野菜と果物も勧めた。固すぎる野菜は茹でて、果物は食べやすく切る。まだ育ち切っていない小竜たちの消化器官に、負担をかけないようにという意図からだ。
「上手くいったじゃないか」
テトラが声をかけてきた。
「はい。よかったです! これで、小竜たちの栄養のバランスが整いますね!」
「そりゃそうだが……お前、自分で自分の仕事を増やしたの、気づいていないのか? 明日から大変だぜ」
「あ、確かに。でも大丈夫です。私、元気なので」
「ははは。変な奴だ」
呆れたように大声で笑うテトラだったが、その目尻が優しく下がっていたのを私は見逃さなかった。
口は悪いけれど、とても優しい人なんだよね。だってなんだかんだで、こうして手伝ってくれているんだから。
「テトラさん、私、族長さんの住まいに行ってきます。あとはお願いできますか?」
「ああ、オリオンの件だな」
頷いた私は、樽と一緒に持参した小さな籐のバスケットを手にして歩き出した。小竜たちの食事を準備する時、オリオン用の食事も用意した。少しでも食べてもらえるように、消化のよさを考慮したメニューである。