監禁溺愛!? ~猫好き主任は、猫っ毛の年下部下に篭絡される~
「じっとして動かないから来るんです。キャットタワーみたいなもんですよ」
 そういう彼の肩に、猫様がひょいと上る。
 背の高い彼は、確かに猫にはキャットタワーかもしれない。

 なんだか無性に悔しい。

 私は席を立って本当のキャットタワーにいるロシアンブルーを撮影しに行った。
 今日も来た、とあきれ顔の猫を連写し、画像を確認する。ああ、かわいい。どの角度でもかわいい。もう「かわいい」以外が出てこない。語彙、今日も無事に死亡。

 そっと指を差し出すと、くんくんと匂いをかがれた。
 もう匂いを覚えてくれたかな。

 猫は興味なさげに寝る態勢に入り、私はしょんぼりする。

 店内にそなえつけの猫じゃらしを手に、通りがかったベンガルにじゃらしをちらつかせる。
 ベンガルが、じゃらしの動きに合わせて顔を左右に動かす。ああもう、最高!

 さらにはベンガルがじゃらしをばっと捕まえてかみかみする。ああ、最高が連続しすぎ。キュン死を超えてキュンゾンビ‼

 心臓を百個くらい犠牲にして席に帰ると、蒼澤くんはこくりこくりと舟をこいでいた。

 眠いなら帰ったらよかったのに。それでも来たいほど猫が好きなんだね。
 起こしたほうがいいのかな。

 迷って彼を見て、とりあえず隣に座る。
 ことん、と倒れた彼の頭が私の右肩に乗って、私は驚いて彼を見た。

 すやすや寝息を立てている彼の黒髪が頬にあたる。やわらかそうな猫みたいな髪。
 そーっと左手で撫でると、やっぱりやわらかい。

 細くてなめらかで、するっと指から逃げるように滑る。いい匂いはリンスだろうか。猫と違ってお日様の匂いはしない……って当たり前か。
 そう思ってから、私ははっとした。
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