手フェチ女とピアニスト
「チケットはお客さんの分だけでいいってことっスか?」
「は、はい!」
店長に尋ねられて、由麻は頷くしかない。
「よかったなっ涼! こいつ、ピアノの良さの普及のために頑張ってるから、オレも力になりたくて!」
店長はうれしそうに涼を見ながら説明をした。
由麻も改めてじっと眺める。
(手ばっか見てたけど、顔もかっこいいな)
綺麗な瞳、高い鼻、薄い唇、白い肌。
さらりとした黒髪は艶やかで。
爽やかながらも落ち着いた色気が滲み出る、大人の男だ。
「こちらがチケットです! 値段はーー」
店長にチケットの値段を提示されて、「安くないですか?」と驚く由麻。
「ピアノは気安く聴ける楽しい音楽だと知ってほしくて、値段を抑えてます」
涼の説明を聞いて、由麻は心から感心した。