俺に愛されてみないか? ~孤高のパイロットとの偽り新婚生活は熱くて甘い~
よしんば彼が本当に“空の上の王子様”のような人当たりのいい優しい人ならわからなくもないけれど、私が知っているかぎり彼からそんな雰囲気は一度だって感じたことがない。
それなのに芽衣子さんは、私に謝った金城宗弥を『彼らしい』という。これは一体どういうことなのか。
わけが分からないとひねった首が、ますます深くなっていく。そんな私を見て芽衣子さんが笑った。
「私と彼は同期入社で、当時は仲間でよく飲みに行ったり出かけたりしてたからね。今も少なくても年に一回は会ってるし、彼の人となりはそれなりにわかってるつもり」
「ああ、同期! そうでしたね!」
以前芽衣子さんから聞いたことがあるのを思い出し、場所も忘れて大きな声を出してしまった。一瞬で注目の的となってしまい、恥ずかしさに慌てて顔を伏せる。
でも昔の金城宗弥は今と違ったってこと?
芽衣子さんのことを疑っているわけじゃないけれど、偶然とはいえあんな場面に何度も遭遇するとにわかには信じがたい。
え、もしかして。芽衣子さんは金城宗弥に心惹かれているとか?
なんて。昨年結婚したばかりで素敵な旦那様がいるんだから、そんなわけない。