俺に愛されてみないか? ~孤高のパイロットとの偽り新婚生活は熱くて甘い~
ひとり頭の中で完結すると、どうしようもないなとため息を漏らす。さっきのことはさっさと忘れて今は食事に集中しようと、ペペロンチーノに手を伸ばしかけた、そのとき。
「ところで伊澄は、金城宗弥にまったく興味がないの?」
いきなり耳に飛び込んできた芽衣子さんの突拍子のない言葉に、伏せていた顔をパッと上げた。ニヤリと弧を描いてこっちを見る芽衣子さんの目と合い、私も負けじとしかめっ面で応戦する。
「芽衣子さん、私の話ちゃんと聞いてました? もしも仮に私が彼に恋心を抱いていたとしたら『芽衣子さんどうしよう。金城宗弥に声かけられちゃいました!』なんて、今ごろ大喜びしてますよ」
「それはそれで見てみたかったかも」
なんて言いながらクスクスと小笑いするから、芽衣子さんも人が悪い。残念ながら、たとえ天と地がひっくり返っても、そんなシーンは見られないと思うけれど。
「今の私はキャリアを積んでいる最中なんです。芽衣子さんも知ってますよね? 恋愛なんかにかまってる場合じゃないんです」
そう。入社六年目の私はチーフ昇格に向けて、日々いそしんでいるのだ。仕事の合間には語学力を磨くため、勉強にも力を入れている。