俺に愛されてみないか?  ~孤高のパイロットとの偽り新婚生活は熱くて甘い~

 ゴールド・エア航空の御曹司で将来が約束されているとしても、私ならあんな無慈悲な男性はこっちから願い下げだ。
……なんて、あちらは私のことなんて知る由もないだろうけれど。

「ツイてない」

 ポツリとつぶやき、またしても遭遇したくない場面に出くわしてしまったと後悔にも似た息が口から漏れた。

 私が彼のことをどう思っていても、世の中の女性たちには関係ない。また性懲りもなく告白しに来るのだろう。

 さあ、いつまでもこんなところで油を売っている場合じゃない。さっさとこの場から退散しようと踵を返す──と、そのとき。

 どういうことか目の前に金城宗弥が立っていて、驚きから全身が固まってしまい動けなくなる。声すら発することができなくて、目を大きくしてまばたきを繰り返す。

 あれやこれやと物思いにふけっていて、彼が近づいていることに全く気づかなかった。

 背の高い彼に頭上から冷たい視線で見下ろされ、蛇に睨まれた蛙のように身体がすくむ。

 どうすることもできない私はなんとかその場をやり過ごそうと、無理やり口角を上げ引きつったような笑みを作った。

 するとそれを見た彼は「フンッ」と小馬鹿にしたように鼻で笑うから、沸々と怒りがこみ上げる。




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