俺に愛されてみないか? ~孤高のパイロットとの偽り新婚生活は熱くて甘い~
「なんだ、覗きが趣味なのか? それとも、君も俺に告白をしに来たとか?」
腕を組みグイっと迫られたかと思うとニヤリと眉を上げる仕草に衝撃を受け、ぐうの音も出ない。
悔しいけれど、いい男であることは認めざるを得ない。女性たち誰しもがいう眉目秀麗で美男子なのは、どこをどうとっても文句のつけようがない。
でも、だからといって、女性なら誰しもがあなたのことを好きになるとか思ったら大間違い。それこそ『勝手なことばかり言って、あなたこそ私のなにを知っているの?』と言ってやりたい。そう言いたいところだけれど、ここで彼を怒らせるのは得策ではない。勝ち目のない戦いをするのは避けて、ここは無難にお口にチャックをするほうがよさそうだ。
そう決めた私はひと呼吸おいて、ニコリと笑顔を作って見せる。
「覗いていたわけでもないし、告白をしに来たわけでもありません。休憩所に行くにはここしか通るところがなかっただけで、どちらかと言えば私のほうが迷惑をこうむったわけで……」
言わなくてもいいことまで言ってしまったと気づき、声が尻つぼみに小さくなる。ふつふつと湧き上がっていた怒りが、勝手に口を動かしてしまったみたいだ。
ちらりと目線を上げると、眉間にしわを寄せている彼の姿が目に入る。きっと、被害者はこちらだと言わんばかりな私の態度が気に入らないのだろう。