おかえりが聞こえる病室
その頃。
病棟のナースステーションでは——。
夜勤への申し送りが始まっていた。
「次、救急入院です。」
師長がカルテを開く。
「5歳、亜美ちゃん。」
「発熱と呼吸状態悪化。」
「肺炎疑い。」
「このあと302号室へ入室予定。」
一人の看護師が、カルテに目を落とした。
夜勤担当の名札には、
『看護師 莉奈』
と書かれている。
「採血や検査も頑張ってきたそうです。」
「かなり不安が強いみたいだから、最初はゆっくり関わってあげて。」
莉奈は静かに頷いた。
「分かりました。」
カルテを閉じる。
まだ会ったこともない、小さな患者さん。
(怖かっただろうな。)
そんなことを思いながら、302号室のベッドを整え始める。
シーツのしわを伸ばし、
点滴台の位置を確認し、
ベッドサイドのライトをそっと点ける。
「今日は、この部屋がおうち代わりだからね。」
誰に聞かせるでもなく、小さくつぶやいた。
一方その頃。
救急外来では、病棟へ向かう準備が始まっていた。
亜美はまだ知らない。
これから向かう302号室で出会う看護師が、
何度も何度も自分に
「大丈夫😊」
と言ってくれる人になることを。
病棟のナースステーションでは——。
夜勤への申し送りが始まっていた。
「次、救急入院です。」
師長がカルテを開く。
「5歳、亜美ちゃん。」
「発熱と呼吸状態悪化。」
「肺炎疑い。」
「このあと302号室へ入室予定。」
一人の看護師が、カルテに目を落とした。
夜勤担当の名札には、
『看護師 莉奈』
と書かれている。
「採血や検査も頑張ってきたそうです。」
「かなり不安が強いみたいだから、最初はゆっくり関わってあげて。」
莉奈は静かに頷いた。
「分かりました。」
カルテを閉じる。
まだ会ったこともない、小さな患者さん。
(怖かっただろうな。)
そんなことを思いながら、302号室のベッドを整え始める。
シーツのしわを伸ばし、
点滴台の位置を確認し、
ベッドサイドのライトをそっと点ける。
「今日は、この部屋がおうち代わりだからね。」
誰に聞かせるでもなく、小さくつぶやいた。
一方その頃。
救急外来では、病棟へ向かう準備が始まっていた。
亜美はまだ知らない。
これから向かう302号室で出会う看護師が、
何度も何度も自分に
「大丈夫😊」
と言ってくれる人になることを。