Ironic Honey
「まだ私達が結婚したのも数か月前よ」
『信じられない人生歩んでるな。まさか一年前の出来事が、今はこうなっているなんて』
「そうね。後悔してる?」
『まさか。これっぽっちも』
そう言って軽い笑い声が聞こえてくる。出会った時の彼はとにかく堅物。笑顔なんて見せてくれなかったのに、最近の彼はよく笑う。家では常にニコニコと笑みを浮かべては、穏やかな声で話す。そんな彼と過ごすことを今では心地よくなった。
そんなことを考えていると、私も早く会いたくなってきた。まだ入院生活は五日間程続く。初産は平均五日から六日間と言われている。それも傷の経過によってというところだ。
『なあ、顔見たい』
「は…?」
『ビデオ通話』
突然の誘いに私は思わず慌てた。ボロボロで、とても見せられたような顔ではない。
「ちょっと冗談でしょ!? メイクもしてないのに」
『大丈夫。すっぴんの君も素敵だから』
「そういう問題じゃ…」
『聖菜』
名前を呼ばれるともう何も言えなくなる。悩んで、軽く溜息を吐くと、仕方なくカメラを付ける。案の定自分の顔は疲れ切っていて、とてもじゃないけれど人に見せられる顔なんてしていない。
すっぴんを見せているからと言って、ビデオ通話じゃまた少し違った照れくささがあるものだ。
千織も次第にカメラを付けると、無造作に乱された髪に少し赤くなった顔が映っていた。
『信じられない人生歩んでるな。まさか一年前の出来事が、今はこうなっているなんて』
「そうね。後悔してる?」
『まさか。これっぽっちも』
そう言って軽い笑い声が聞こえてくる。出会った時の彼はとにかく堅物。笑顔なんて見せてくれなかったのに、最近の彼はよく笑う。家では常にニコニコと笑みを浮かべては、穏やかな声で話す。そんな彼と過ごすことを今では心地よくなった。
そんなことを考えていると、私も早く会いたくなってきた。まだ入院生活は五日間程続く。初産は平均五日から六日間と言われている。それも傷の経過によってというところだ。
『なあ、顔見たい』
「は…?」
『ビデオ通話』
突然の誘いに私は思わず慌てた。ボロボロで、とても見せられたような顔ではない。
「ちょっと冗談でしょ!? メイクもしてないのに」
『大丈夫。すっぴんの君も素敵だから』
「そういう問題じゃ…」
『聖菜』
名前を呼ばれるともう何も言えなくなる。悩んで、軽く溜息を吐くと、仕方なくカメラを付ける。案の定自分の顔は疲れ切っていて、とてもじゃないけれど人に見せられる顔なんてしていない。
すっぴんを見せているからと言って、ビデオ通話じゃまた少し違った照れくささがあるものだ。
千織も次第にカメラを付けると、無造作に乱された髪に少し赤くなった顔が映っていた。