Ironic Honey
「…結構飲んだのね」

『かわいい』


 ふと飛んできた甘い言葉に目を見開き、照れくささで自分の顔に熱が上がっていくのを感じる。自分の顔の方を見るとかなり赤面していて、それにも羞恥心が沸き上がる。

 千織は少し微笑むと、じっと画面を見ているのを感じる。彼は元々人の顔や表情をよく見ている人だったけれど、画面越しでもそれは健在。


「見すぎよ」

『見ていたくて。このままなら寝落ちしてもいいけど』

「馬鹿ね。切るわよ」

『まだもう少し』


 自分も眠そうな顔と声をしているくせに、もう少しだなんて。

 私も千織の我儘に付き合って、静かな部屋で静かな声で話しながら、次第に瞼が落ちていった。
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