Ironic Honey
 入院してから四日目の朝だった。珍しく夜泣き対応に追われ、朝を迎えた時、看護師が朝の回診に来る。


「おはようございます。昨夜は羽聖ちゃん随分泣いてましたね」

「ええ、まあ…」


 羽聖の体温を測った表を見せ、看護師は聴診器で羽聖の心臓の音を聞く。

 廊下に出ないとミルクを作れないため、授乳のタイミングで一度廊下に出るのだが、どこの部屋からも大きな泣き声が聞こえる。

 その声にもかなり追い詰められたりするもので、ミルクを作るだけ、トイレに行くだけなら離れても大丈夫と聞くが、不安になり手元は焦る。

 昼間は千織もいてくれるのもあり、考える事も少ないのだけど、夜中の寝れない時間はメンタルにくるものがある。

 そして乗り越えて、朝に人の顔を見れば少しは安心する。精神的にも落ち着くのだけど、一人になれば、心がざわざわした気分になる。

 羽聖は、可愛いし、癒される。だけど、心に余裕が無い。泣かれるとこっちまで泣きたくなる。子と親の涙腺は連動してるのかと疑いたくなるほどに。


「問題ありませんね。長谷川さん、寝不足は辛いですから、病院にいる間は私達を頼って、体力を温存してくださいね」

「あ…、はい…」


 頼るって、一体どこまで?
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