Ironic Honey
「産科の看護師さんはあなたみたいな母親をサポートをするためにここにいてくれるんだから少しは頼ればいい。それと、さっきも言ったけど、羽聖ちゃんは千織さんの子であり、私の孫でもある。それをあなただけが気負う必要がどこにあるの?」


 母の言葉に何も言えなかった。だけど、母にも自分の家庭と生活があって、千織は会社の従業員の人生まで背負っている。どこまで頼っていいのか、わからない。

 負担を掛けたいわけでもない。だからと言って羽聖のことを千織や母から遮断したいわけでもないから、もちろん頼れるところは頼りたい。

 その塩梅がわからない。

 思い悩んでいる私に、母は優しく微笑む。


「あなたが踏ん張らなきゃいけないように、千織さんも同じように無理をしなきゃいけないタイミングがあるってこと。当然でしょ? 二人の子供なんだから。あなたは少し自分が、ってなりすぎてる」


 母の言葉に、ほんの少しは一人ではないと思えた。今まではいっぱいいっぱいで、全く周りが見えていなかった。

 そのタイミングで羽聖が少しぐずると母が素早く抱き上げる。


「ミルクはもうあげたの?」

「うん。来る前に」

「そう。じゃあ、おむつかね~。よく泣く子ね。元気でいいこと」


 母はそう言って笑いながら羽聖に話しかけている。
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