Ironic Honey
「千織さんに言った方がいい」

「え?」

「あなたのそれは、何も伝えないとただの突き放しに感じる。千織さんからしたらさみしいものよ」


 母に言われて、ようやく客観的な部分が見えてきたような気がする。確かに、私が千織の助けになりたいと思っているのに、なんでも大丈夫と断られてしまったら、どこか無力感に襲われたり、突き放されてるって感じてしまうかもしれない。

 確かにしっかりと自分が甘え下手で、うまく頼れないかもしれないということを事前に伝えておくべきだ。突き放したいわけじゃないと事前に言わないと、千織に誤解を与える。

 そう決意する私に母は羽聖のおむつを替えながら笑っていた。


「千織さんってさすがね」

「え?」

「自分にはきっと理解できないことを抱えてるんじゃないかって。自分が羽聖を産んで、今は羽聖と一緒にいられるわけでもないから、話を聞いてあげてほしいって、千織さんが」

「千織が?」

「うん。日に日にあなたが弱ってくものだから、気にしてたみたい。でも、千織さんが話を聞こうとしても、なんでもないってあなたは言うと思うって、そこまで読んでた」


 千織の気遣いにじんわりと心の奥が温かくなった。

 人の気遣いや気持ちが見えなくなるほど、今の私はいっぱいいっぱいで、自分のことばかりだった。
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