Ironic Honey
 そのタイミングで千織が中に戻ってくる。


「コーヒーで大丈夫でした? お茶もありますが」

「ありがとう、千織さん。コーヒーもらう」

「聖菜は、ちょっと待って。今淹れる」


 千織はそう言って、チェーン店のノンカフェインのインスタントコーヒーの粉を見せた。私が妊娠中から、コーヒーが好きなのに飲めないことを気にしていて、それから千織は必ずこれを買ってきてくれる。

 今も授乳中だからと気にして、ノンカフェインを選んできてくれた。


「ありがとう」


 お礼を言うと千織は少し微笑み、ポットでお湯を沸かし、マグカップを掴む。

 この時間は本当に穏やかで、ずっと続けばいいのにと願う。
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