Ironic Honey
「それと、病院での検査はまだとおっしゃっていましたよね? いつ行きますか?」

「明日、休み取ったので行くつもりです」

「なら、俺も一緒に行きます」

「え?」


 思わず間抜けな声が出た。予想外だったから。病院まで一緒に来るなんて言ってきたのが。

 一人で病院に通院し、経過だけを伝える形になっていた。この人は忙しい人だし、時間を空けられない人だと思っていたから。

 一人での病院は心細いから、来てくれるのであれば、それは助かるけれど、私はこの人にどれくらい甘えて良いのかわからない。まだ、その関係性が出来ていないから。相手からの提案は、素直に聞いておくべきだろうか。


「俺だって、これから生まれてくる子の父親です。きちんと状況は知っておきたいので」

「でも、お忙しいのでは?」

「問題ありません。今の最優先はこっちですから」

「そう、ですか」


 なんだか安心した。この人が、きちんと考えてくれる人で。変な人ではあるし、急なことをいろいろと言うし、不安もあったけれど、子供のことを考えてくれている。

 堕ろせなんていう人じゃなくて良かった。まだ、生まれる前とはいえ、命は命だ。亡くしたくなんかない。
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