Ironic Honey
「私とはうまく話せるのにね」

「君は、裏表がない人だから」

「…そんな風に見える?」

「人を見る目には自信がある。君は、今まで出会ってきた人とは違う」


 確かに裏表はないほうだと思うけど、そんな人に好かれるような性格や顔もしていない。顔もどちらかといえばきつめだと自覚がある。怜奈にもよく「きつめの美人ね」と言われるくらい。

 それと酒癖が知っての通り悪いので、今まで何度もアルコールで失敗している。そこも男性が寄り付かないのと、こんな様子なので遊びで付き合いをしていたことも何度かある。

 それはきっと、私なんかに本気になる人間がいないと、自分も思っているからだと思う。


「…聖菜?」


 ぼーっとしていた私に千織が声をかけてきた。


「あ、ううん。なんでもない」


 そう答えて、食事を続ける。

 今はまだ恋にも愛にもなっていないけれど、きっと私はこの人を好きになる。けれど、恋になって愛が育まれるほど時間が経った時、この人も私には義務しか残らなくなりそうで、少し怖い。

 今までの男性のように、他の女性を見る日が来るのではないか。
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