Ironic Honey
「ありがとうございます。思わぬ形で千織さんと結婚という話になったのに、温かく受け入れてくださり」

「不安だったでしょう。ごめんね、私達も不安にさせないためにって思ったんだけど、逆に空回りしたかしら」


 そう苦笑いする彼女に私は首を横に振った。


「こう言っているけど、孫がうれしいのも本当よ! おばあちゃん…って呼ばれる年齢じゃないってまだ思ってるから、そこは複雑だけど…、でも嬉しい…!」

「あの…、失礼ですがおいくつですか?」


 彼女が距離を詰めて耳元で「五十一なの」とささやかれ、「ええ!?」とオーバーにリアクションしてしまった。

 全くそうは見えない。見えなさすぎる。でも、こうして聞くと、当然の答えでもある。むしろ若い。


「二十一歳で産んだんですね? 若い…」

「私の時は十八で第一子産んでるから。あの子、姉がいるんだけどね。それに昔はお見合い婚なんて、早いうえに当たり前で」


 そう会話をしていると千織とお父様は、この会話には入ることはなく、庭で小さめのパークゴルフをしている。いったいどんな家なのだとツッコみたい。それに当然、お母様は違和感を感じている様子はない。

 私も必死に何とか気にしないようにしていると、突然ばん!と大きな音を立ててドアが開いた。私とお母様は同時にそちらに目をやる。
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