Ironic Honey
⋆ ˖ ⏱︎.ᐟ


 どこかの有名な高級ホテル。そこをとにかく空いてる部屋へと入り、カードキーで部屋のドアを開けると、そのまま肩に回していた手を腰に回し、抱き寄せると、優しく口付ける。

 その間もう片方の手で、スーツのジャケットのボタンを外し、少し焦った手つきで脱がせていく。

 普段落ち着いているこんな人でも、余裕をなくすようなこともあるんだと、ほんの少し嬉しかった。

 私はキスに応え、彼の手の動きに従う。


「…格好悪いな。久しぶりだからってがっついて」

「私も、久しぶりだから」


 その言葉の後見つめ合うと、少し落ち着きを取り戻し、ベッドの方まで歩み寄ると、そのまま押し倒される。

 手を繋ぎ、シーツに押し付けるようにすると、何度も優しく口付けた。キスがこんなにふわふわ、くらくらするものだったかも記憶がない。

 こんなに感じるのは、アルコールのせいか、久しぶりだからか…、それとも、この人のせいか…。

 まあ、どうでもいいか。そんなこと。今日だけは流されても。
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