Ironic Honey
 生まれる一か月前。つまり臨月を迎えた頃。

 ここに来てようやく入院準備や羽聖の服を水通しをし、まだ外の空気にあまり触れさせたくないから、畳んでジップロックにしまいこむ。

 水通しとは、つまり洗濯である。赤ちゃんを迎え入れる大事な手順だと、インターネットの情報で見ており、かなりこだわってやる人も多いらしい。

 また、"世界一幸せな洗濯"と呼ばれており、天日干ししているベビー服を写真に収めたりもするの出そう。実際にSNSで見てみたけれど、それはそれはとても愛らしいものだった。

 私もバルコニーで干した時に思わず写真に収めた。あまりにも可愛すぎる。

 産まれた後は大量に着替えた後のものと、ガーゼとで、洗濯物が溢れかえるという。今からそれだけは少し怖い。

 しまい終えた後に、千織にメッセージを送る。


«見て»
«世界一幸せな洗濯»
«可愛いでしょ?»


 三行のLINEを送り付けると、しばらくした後、既読が着いた。


«可愛いな»
«俺の腕も通らないかもしれない。へたしたら、指三本分だな»


 そんなジョークまで入れてきて、思わず私はふと笑みを零す。


«私の腕なら通るかも»

«さすがに細い君でも無理じゃないか?»
«試してみる?»

«破れたら怖いからやめとく笑»

«そうだな。着る前から手直しされた服はさすがに…»


 そんな会話をしてから、LINEを終わらせる。

 本当に発想が変。言うことも変。だから面白い。

 どう生きてきたらベビー服に指三本分入るかどうかを気にするのだろう。
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