蛙のマス
「よぉよぉよぉ。やばいんじゃないの。この雨だぜ。この雨じゃ滑っちまって、いつも軽く仕事をこなせる奴等も石運びに失敗するだろうし、そんなかでマスの野郎が何度も石運びに遅れて、いつも以上に皆の足を引っ張っちゃ、まずいんじゃねぇのかよぉ」
カマスの一声でそれほど大きくもない石を相手にまごついている小さな体のマスを見て、皆が一斉に嫌な顔をした。それから、軽い身のこなしのダンスが躍りながら、マスに近付き小声でこう言った。
「マスちゃんよ。しっかりやってくれないと皆が困るよ。どうにか出来ないものかなぁ。こんな石(マスが背中に乗せてる石)も運べないようじゃ、カマスが言ってるように、予報の大雨が来るまでに石を運びきれないよ。どうすんの」
マスのせいで、石運びの仕事が遅れてしまうことを蛙の皆が嫌がっているみたいだ。
「あぁ~やだな。私、彼と会う予定があるんだけど。さっさと終わらせたいし」
女の蛙のメスがそこそこ大きな声で呟いた。
「メスちゃん、大丈夫~。僕が頑張ってマスの分まで仕事をこなすよぉ」
メスに惚れてる体力自慢のラスも応戦してきた。
益々マスの味方は無くなってくる。みんな、マスのことは嫌いだったみたい。マスも薄々それを感じていたんだけど、見ないようにしてたんだけど、ついにマスはもう耐えられない状態になっていた。
そして、雨で勢いが増す、川の中にマスは飛び込んだ。

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