【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「それなんだけど、乃蒼をそのまま預かりたいと言われたんだ。アニメ映画を見ていたら途中で帰るのが嫌だと言い出したらしい。試しにお泊りしてみるかと聞いたら、すると言ったらしい」

「ええー?!」

「さっき確認したらもう寝てしまっていたよ。本人が泊まりたいと言ったんだから、泊まらせてみようということになった」

 今までも、佐田君のところに夜間授業で預けると、迎えに行く頃は寝てしまっていた。お風呂に入ってご飯を食べて少し遊ぶと寝てしまう。起こさずそのまま抱いて帰ることがほとんどだった。

 最近は眠りが深くて、夜中も全く起きない。もしかすると大丈夫かもしれない。

「……琴乃?」

「あ、はい……」

「今日は乃蒼のいない夜を二人で満喫しよう。二人っきりのデートは久しぶりだ。どこかに行く?」

「ううん。呼び出されるかもしれないし、心配だから早めに帰りましょう。玲さんの家のほうがご実家に近いからそっちに帰ってもいい?」

「当然だ。今日は君を帰すつもりは最初からなかった。じゃあ、早く帰ろう。夜は長いようで短いからね。そうだ、今晩はリミッターを外させてもらう。君も存分に声を出していいよ」

「えっと……何の話?」

「いつも僕の胸に顔を当てて声を抑えてるだろう?僕も不本意ながら加減してる。今夜はその必要がないからね」

 びっくりした。まさか、夜の話?周りを見回してしまう。

「ちょっと、玲さんったらこんなところで何言ってるの」

 人がいるのに、恥ずかしい。

「乃蒼の妹を作る話だけどね、僕としてはもう少し三人でいたいんだ。ここでまた子供が出来たら君を取り合う相手が多くなる。新婚気分を一年くらいは味わいたい」

< 166 / 192 >

この作品をシェア

pagetop