【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 外に出ると、芝生のガーデンにはテントの下に長いテーブルがあり、そこに料理がすでに乗っていた。

 立食式なのだが、傘のついたテーブルがあり、食事はそこで座ってとれるようになっている。

 ボーイがシャンパンやワインなどを運んでいた。

「彼を紹介するわ」

 こちらに背中を向けて金髪の男性が黒髪の男性が話している。

 留美ちゃんも、私も、今日は高いヒールを履いているので、芝生に足が取られないようにお互い手を繋いで歩いていく。

『ハロルド』

 ハロルドと呼ばれた新郎が留美ちゃんを振り返って見た。

 すると、彼と話していた隣の男性もこちらを見た。え?!私達はお互いを見て固まった。

『ハロルド、彼女がコトノ。私の幼馴染よ』

『おお、初めまして。今日はようこそおいでくださいました』

『初めまして。蔵原琴乃です。ご結婚おめでとうございます。留美ちゃんを幸せにしてあげて下さい』

 私は覚えてきた言葉をそのまま伝えて、すぐにハロルドさんから目を隣の男性に移した。彼も私を凝視している。

 そこには昨日会ったばかりの藤堂さんがいた。

 昨日もカッコよかったが、今日の彼はとんでもなく素敵だった。

 シルバーのスーツに磨かれた靴。白いネクタイ。髪も昨日とは違ってバックにして固めている。

「藤堂さん、どうしてここに?」

「君こそ、どうして……え、今日の予定はここだったのかい?」

「はい」

 私達はお互いが知り合いで昨日も偶然会ったことを話した。

 すると、ハロルドと留美ちゃんは目を合わせて笑い出した。

『玲は僕の仕事に関係していてね。日本への貿易申請などは彼を通しているからよく知った仲なんだ。留美も紹介済みだよ』

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