【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 * * *

「あ、あ、玲さん……待って……」

 部屋へ入るとお姫様抱っこをされて、そのままベッドへ運ばれた。

 そっとベッドへ私を下ろす。部屋の窓から月明かり。彼の顔が見えた。キスする前の顔。

「君の僕を見る目を見て、両想いかと思っていたんだけど違う?琴乃は誰かつきあっている相手がいる?僕はそいつと戦っても君が欲しいんだ」

 私はその言葉に驚いて彼を見た。好きだと言われて本当に嬉しかった。

 でも彼こそ誰かいるんじゃないだろうか?私は黙って彼を見た。

 彼は私の様子が変わったのを見て、ひとつ外していたブラウスのボタンを優しく閉めてくれた。

 そして私の横に座った。

「琴乃教えてほしい。僕は君が好きだ。このまま君と別れたくない。君が欲しいんだ。次に会うまで我慢できない」

 彼は私の手の上に自分の手を重ねた。私はそれを見て、彼の顔を見た。

 玲さんが好き……彼にもわかるくらい私の言動に出ていたんだろう。だから、求められて嬉しい。

 私のはじめてを今日ここで捧げても構わない。

 この部屋へ連れてこられて逃げなかったのは覚悟していたからだ。

 でもどうしても気になる。思い切って確認した。

「明日来る人は女性ですよね?特別な人じゃないんですか?」

 彼の動きが止まった。目を見開いた。驚いている。やはりそうなのね。

「やっぱりそうなんですね。私、そういう人は……」

「琴乃、勘違いしないでくれ。僕は今フリーだ」

「玲さん……あの参事官って方は、私を牽制されてました。違いますか?」

「そうかもしれないが、彼女のことは仕事なんだ。気にすることはない」

「ほんとう?」

 彼はベッドに起きて座っている私を抱きしめた。

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