【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「ちょうど私の人生を考えなおそうと思っていたところだったんです。実は弟が独り立ちできるまでは恋愛とか考えていなくて……」

「じゃあ、僕とのことはタイミングが良かった?」

「はい。玲さんのご家族は、ご兄弟はいるんですか?」

「ああ。父は今外国語の大学教授なんてやってるけど、昔はサラリーマンで君のお父さんと同様に海外へ赴任していた。琴乃よりひとつ下の妹がいる。彼女は公務員だ」

「お父様の影響で玲さんは外交官になったの?」

「そうかもしれないね。僕は中学卒業までは家族とアメリカにいたから、自然に話せるようになったんだ」

「すごい」

「すごくないよ。君の亡くなったお父さんは、蓮見商事勤務だったんだね」

「はい、そうなんです」

「そうか。僕は蓮見商事の若社長と知り合いでね。あのセクハラ上司のこともあの時伝えたんだ。あいつに今まで何かされてたんじゃないよな?」

 彼はすごい勢いで私に言った。

「ボディタッチが何回かあったくらいで、それ以上は拒んでいたから大丈夫です」

「何だと?!琴乃の敵を今からでもとってやる。訴えてやろうか?」

「やめて、大丈夫。それより、玲さんこそモテるでしょう?留美ちゃんのパーティーのときも女性客が皆玲さんを見ていたわ」

「琴乃が考えるようなものじゃないよ。仕事がらみの人も多いからね。それに僕はもう結婚を意識する相手がいるから、誰も目に入らない」

「え?!そんな人いたんですか?」

「え、じゃない。何驚いているんだ?君だぞ琴乃。嫌だとか言わないよな?」

「そんな、結婚なんて早すぎます。まだこんなふうになったばっかりですから……どうなるかわからないでしょう」

「僕は君となら結婚も意識する。琴乃がいい」

「玲さんったら……」

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