【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「あ、翌日の結婚パーティーでも偶然いっしょになってね、彼も休暇だったというので最終日まで観光につきあってもらったの」

「キャアー!やったね、琴乃。おめでとう!」

 佳純は腰を浮かせて私の手を取った。私、まだ何も言ってないんですけど?

「それって、恋が始まったんでしょ?あ、でもあっちに赴任してる人なの?」

「そう。ロンドンにあと二年くらいはいるらしいの」

「とにかく、三日間でいい感じになったの?ねえ?そうなんでしょ?」

 私は何を言っていいのかわからずとりあえずこくんと頷いた。

「なるほどね。その様子だとキスはしたね?」

「……」

「それ以上も……」

 私の目をじーっと見てる。佳純は半同棲の彼氏がいる。

 そういう話に私がついてこられなかったので、待ち構えているのはわかっていた。

 彼氏の友達を紹介したいと最近はうるさかった。

 私は家のことがあるので、弦也が高校に入るまでは自分のことは考えていないと断っていたのだ。

 佳純には本当のことを話しておきたいので頷いた。

「やったー!おめでとう、琴乃!」

「でも遠距離だよ。ただの遠距離じゃない、海の向こう。続くかな……自信ないよ」

「いや、やり捨てとかないでしょ?身持ちの固かった琴乃が許したんだから、彼だって真面目な人なんでしょ?騙されてないよね?」

「実はね、帰り際に指輪も渡されたの。結婚前提で付き合いたいって言われた」

「うそっ?琴乃惚れられたね。でもわからないでもない。琴乃に彼氏がいないのは七不思議だって、若手の男性社員はみんな言ってたんだからね」

「そんなはずはないわ、大げさに言わないで」

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