【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「ううん、いいよ。普段ふたりでいられないんでしょ、せっかくだから満喫したら?」

「うわあ、姉ちゃん察しがいいな。それより、姉ちゃんこそ誰か出来た?」

「え?」

「うわあ、赤くなった。やっぱりな。なんとなくそんな気がしたんだよ。姉ちゃん明るくなったもん」

「そうかな?」

「そうかなじゃないよ。俺だけずるいぞ。教えろよ」

「……お母さんには黙っておいてくれる?」

「話してないの?」

「遠距離なの。相手は海外にいるから……」

「えー?海外!」

 大きな声を出したので、私は弦也の口をふさいだ。もぐもぐしてる。

「もう、お母さんに聞こえるでしょ」

「ごめん、ごめん。で?海外って何?」

「最初は仕事で助けられたの。その後旅行先のイギリスで偶然二度も会って、観光につき合ってもらったの。それでそういうことに……」

「うっわあ、なにそれ?漫画みたいじゃん」

「マンガじゃないのよ、それが……」

「何してる人なんだよ?あっちで仕事してんの?」

「外交官なの」

「なんじゃそれ。すごいじゃん」

「だから、普段はメールや電話がメインだからお母さんに黙ってるの」

「なるほどね。会ったことないのか」

「会ったことはある」

「え?自己紹介してないの?」

「たまたま日本へ少しだけ帰っていた時に、夜うちに来たの。私、その日たまたま送別会で帰りが遅かったから会えなかったの。しかも黙って来て驚かせるつもりだったみたいなのよ」

「そうだったんだ」

「突然彼が来て、お母さんはお土産渡されて……驚いて不信がってた」

「はあ……なんで連絡してから来ないんだよ。馬鹿だな」

「馬鹿じゃないから……お仕事忙しくて時間取れるかわからなかったらしいの。だから……」

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