初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


(紫帆。おまえいつの間に! たく、しょうがないなぁ)

 正義感の強い紫帆は、後先考えない向こう見ずなところがあった。

 まさかパーティー会場でやらかすとは思わなかったが……

 おそらく、女の子が同じ年頃だったから、放っておけなかったのだろう。

 零も同じ気持ちだったので、それは理解できる。

 しかし、しょっぱなから喧嘩腰で食ってかかるのはいただけない。

 これではおさまるものもおさまらない。火に油を注ぐようなもんだ。

 ――あまり目立ちたくはないが、そうも言ってられない。

 早々に諦めた零は、極力面がわれないように細心の注意を払いつつ、兄に向けて矢継ぎ早に英語で捲し立てた。

「What's so ugly? It's shameful for you to torment your sister. You should lose it quickly(何がみっともないだ? 妹を苛めるおまえのほうがみっともないんだよ。おまえこそさっさと失せろ)」
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