初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 倉科は明るい声でそう言うと、心底安堵したように大息をついて胸を押さえている。

 ――対応の難しい患者だったのだろうか……。それとも、好みのタイプだったとか?

 おそらく後者に違いない。

 というのも、倉科は二十四歳と年も若く、見た目も小柄で可愛らしい顔立ちをしているのだが、中身はいわゆる肉食系だからだ。

 受付クラークになったのも、好みのイケメンとお近づきになりたいから、なんだとか。

 きっかけがどうであれ、勤務態度は真面目だし、患者へはもちろん医師やスタッフへの気配りも申し分ない。

 ちなみに、他のクラークや看護師も二十代の女性が多く、仕事面も含め恋愛面でも結束力が硬かった。

 それを裏付けるようにして、ランチから帰ってきた仲良し看護師トリオが休憩室に入ってくるなり、倉科を取り囲む。

「ちょっと、倉科ちゃん。あの受付で待ってるイケメンって、再診の患者さんよね?」
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