初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


「そうなんですよ~、また会えるなんて運命ですかね~?」

「「「そんなわけないでしょうが!」」」

「えー、そんなに強く否定しなくてもいいじゃないですか~。っていけない。仕事に戻りますね」

「「「はいはい、頑張ってね~」」」

 一頻り黄色い声でキャピキャピとイケメンの話題で盛り上がると受付に戻る倉科の背中を三人仲良く見送っている。

 遥奈はその様子を『またか』と思いながら、楽しそうに聞き耳を立てている京香と共に生暖かく見守っていた。

 こんなふうに、医療スタッフが若いイケメン患者の話題で盛り上がるなんて、よくあることだ。

 倉科たちのように、患者を恋愛対象として見ている者も、珍しくも何ともない。

 実際に、医療従事者の中には、担当患者と結婚した者が結構いる。

 仕事に支障がなければ、患者との恋愛にとやかく言うつもりはない。

 ――けれど、何かが引っかかる。

(な、何だろう……この胸のモヤモヤは……)

 妙な胸騒ぎを覚えた遥奈の耳に再び看護師トリオのキャピキャピした黄色い声が流れ込んでくる。

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