初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


「――だからかな、遥奈のことがずっと忘れられずにいたんだ。けど、このまま引き摺ってもいられない。そう思って、帰国してすぐ遥奈に会いに行ったんだよ。今度こそキッパリ諦めるために」

(――そんなにも、私のことを……。ど、どうしよう……泣きそう)

 そこで一度言葉を切った零がふっと苦い笑みを零すと再び語り出す。

「そのつもりだったんだけどね。大人になった遥奈に会ったらますます諦めきれなくなったんだ。だからあの夜、遥奈をたまたま見かけたときは、神が与えてくれた最後のチャンスだと思った。どんなことをしてでもこのチャンスを活かしたい。あんなにも必死になったのは初めてだよ」

 いつも落ち着いていて冷静に見える零と、『必死』という言葉が結びつかなくて、思わず問い返す。

「え? 『必死』って、零さんが?」

「うん。必死なあまり、未経験のクセにEDで悩んでる、なんて口走っちゃうぐらいにね。でも、遥奈にしか反応しないっていうのは、本当だよ。他の女からアプローチされても、心がピクリとも動かないどころか、嫌悪しか感じなかった。心因性EDだよ。遥奈ならわかるよね」

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