初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 ベッドで微睡んでいるうちに頭も覚醒し、遥奈は零とのお喋りを楽しんでいた。

 零が高校を卒業してからこれまでのお互いのことなど、話は尽きない。

 話題はやがて、零からもらったドロップスを入れていた巾着袋に及んでいた。

 零が手にしたフェルト製の巾着袋を眩しそうに見つめながら呟いたのだ。

「この色、青空みたいで綺麗だね」

「その色、晴色(せいしょく)なんです」

「セイショク?」

「はい。空が晴れるの『(せい)』の字に『色』と書いて晴色。雨があがって、空が晴れたときの風景を表現しているそうなんですけど。零さんのイメージにピッタリだなと思って。でもカラーコードにはないので、晴れた空のような明るい青の『空色』にしたんですけどね」

「へぇ、晴色か、初めて聞いたな。洒落てるし、爽やかで綺麗な色だよね。遥奈から見ると、俺って、そんなイメージなんだ?」

「ありきたりですけど、爽やかな王子様みたいな……。あっ、今、お子様だって、思いましたよね? ドロップスもお守りにしてたし」

「そんなことないよ。やっぱり、遥奈は可愛いなぁって、改めて思ってたんだよ」

 ――可愛い。

 零と再会してから、何度耳にしたかわからない。

 行為の間なら、気にする余裕はないが、面と向かって言われると反応に困る。

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